どうして僕は旅をするのか、その1
僕の趣味の1つは一人旅だ。
だけどなぜそれをするのかはわからない。
いや、何年か前まではわかっていた。
47都道府県に少なくとも足を踏み入れることすらしないで日本を知った気になりたくない、という理由でとりあえず日本中巡ってみていた。
ちょうど47個目の県に足を踏み入れた頃、僕は気付いてしまった。
一度通ったくらいではその土地のことはわからない、同じ都道府県でも環境がまったく違う地域もあるのだ。
ということは日本を知った気になるためにはもう少し旅を続ける必要がありそうってことで。
とりあえず基準にできそうな鉄道全線乗りつぶしを始めることにした。
それまでの旅でそれなりに(当社比)乗れていたから、まだ穴になってる部分を潰していく感じで。
上下線とか日没後はノーカンとかそういうのは考えてないです今のところ。
いま何割くらい乗ったかな。
北海道はあと運転見合わせの区間がなんとかなるor廃止になれば全部。
東北もけっこう。なぜか五能線は乗ろうとするたびに災害で運休になるけど。
近畿地方、大阪府は全線乗ったのにもうすぐ延伸区間が開業されるっぽい。それ以外はまだあんまり。
中国地方はまだぜんぜん。四国、九州もけっこう残ってる。
計算するのはめんどくさいけどこんな感じ。
全国で少なくとも6割は超えている。
だけどこの乗りつぶし、だいぶしんどくなってきた。
というかただの苦行だ。
人生が若干忙しくなってきて、1日しか時間が取れないとかお金が足りないとかそういうのもあって。
伊勢まで夜行利用、鈍行のみで日帰りとか、楽しくはあったけどしんどい。
どうすればいいんだ。何が面白いのかすらわからない。
その場その場で出会う景色とか、面白いものとか、行ってからなんかの聖地だったって知ることとか、そういうのは楽しい。
一番虚しさを感じるのは本数が少ない盲腸線を待って、小さな駅で特に実りのない時間を過ごしているとき。
少しシャッター商店街を散歩してみたり、意外とおいしいものがあったり、そういうので潰せる時間なんかたかが知れていて。
しかも盲腸線だから数時間後にはその駅戻ってくるし。
たまに面白いことがあるし、その町を知れるって意味では嫌いじゃないけど。
でも始めてしまったからには投げ出したくはない、これはただの意地とプライドなのだけれど。
つづく、と思う。