昔の趣味のものをほとんど売った話。

ちょっと前の話だけど、昔好きだったアーティストのCDとか雑誌とかをほぼ全部売った。

好きになったのは中学2年生、そこから高校1年くらいまでお小遣いやらお年玉やらをかき集めて買いまくった物たち。

いま振り返ると短い期間だけど、とても濃い時間だった気がする。

 

最初の出会いは街中だった。

どっかのお店から曲が聞こえてきたのだ。

なんかビビッとくるってやつ。

趣味は天気図を描くこと、くらいの子供だったから初めての経験だった。

 

いろいろ調べた。

BGM代わりに彼女たちの出てるラジオを流した。

初めて自分でCDを買った。

でもそのアーティストのCDを置いているお店は少なかった。

旧譜もいろんなお店を探して買い集めていった。

派生ユニットのCDや書籍も手に入れていった。

 

ライブにはいけなかったけど彼女たちのいる劇場には何度も足を運んだ。

中の売店的なところでグッズを買った。

 

しばらくして彼女たちのメディア露出はどんどん増えていった。

どこのCDショップでも正面に置かれるようになっていった。

同時発売の新譜がカップリング曲を変えて2種類になった。

どっちも買った。

 

ラジオからは主力メンバーが遠ざかり、劇場には入れなくなった。

 

最初彼女たちを馬鹿にしていた同級生たちがどんどん嵌っていった。

 

メンバーがどんどん遠くなった。

自分はそもそも会ったことなかったけど。

チケット取りやすい頃に行っとけばよかったとかは思ってた。

 

 

同時発売の新譜CDが3種類になった。

ぼくは好きなカップリング曲の入ってる1枚しか買わなかった。

雑誌ももう買ってなかった。

 

次の新曲はもう聴きもしなかった。

別の趣味があったとかそういうのだけじゃなかったと思う。

 

自分が支えている気がしていた人が気づいたら遠くにいた、みたいなあれ。

 

そしてそれまでに集めた物たちは新しくできた趣味の物に追いやられるように引き出しの奥へ押し込められていった。

 

 

そして月日が流れ、ほぼ全部を売った。

大したお金にはならないけど、買取レシートを見てなんか満足した。

 

今残ってるのはアルバム2枚と買い取ってもらえなかった生写真とポスター数枚。

これも近いうちに処分しようと思ってる。

 

あれに費やした時間とお金はなんだったんだろうとか考えたりもするけど後悔はしてない。

あの時はすごく楽しかったからそれでいいかなって。

 

売る前にパソコンには取り込んだからたまに曲聞いて懐かしんでみたりはする。

 

でも今はなにがよかったのかもよくわかんないこともある。

年取るってこういうことなのかな?