書けない。

忘れてしまう前に、書き残しておきたいと思っていることがあった。

 

心が完全に終わっていたころの自分の気持ち。

 

社会的にはそれなりにうまくいってる状況であるのに、それをすべて放り出してでも逃げ出したくなっていたあの頃の気持ち。

 

いつか同じような気持ちになった時に自分がどうやって生きていたのか見直せるように。

 

そろそろ忘れてしまう、そんな気がして。

 

無理だった。

2ヶ月近く、10行くらい書いては消すのを繰り返していた。

忘れてしまったわけじゃないはずなのに、思い出そうとすると心が無理やり蓋をしてくる、そんな感覚。

自分の深いところにどうがんばってもたどり着けない、みたいな。

 

 

完全に終わってた時期を過ぎて、それなりに終わっているけど生きている時期になって以降、そんな感覚をよく味わう。

 

お蔭で普段は平穏を保てるようになっているんだけど、

半年前くらいだったかな、無理やり蓋を外された気分になったことが一度だけあった。

 

たぶん月並みな表現だけどその瞬間は底のない穴に吸い込まれていくっていうのが一番しっくりくると思う。

その後は冷汗が止まらなくて、腕にも足にも力が入らなくて、その瞬間まで生きていたことを後悔した。

顔を上げることが怖くて、周囲を歩く人や自分を取り巻いている空気が怖くて。

どうしてまだ生きていられるの?って昔の自分の声が聞こえてきて。

 

あの頃に比べてだいぶ強くなったぼくは数時間で復帰できたけど、怖かった。

 

 

当時の自分にちゃんと向き合わないと、もしまた蓋が外れてしまったときに困りそうだから、書いておきたい。