どうして僕は旅をするのか、その3
ぼくは旅が好きだ。
どうして旅をするのかすらわからないけれど、好きだ。
そのはずだった。
旅の記録をブログという形で一応残している。
最近そのブログを書くのがつらい。
もう12月なのに、まだ5月の旅を書き終えられないレベルでつらい。
とてもありがたいことに自分の「好き」を書いているだけだけど、毎月それなりの人が見てくれているっぽいから、せめて今までの旅ぐらいは書きたいとは思っているけど。
旅を始めた頃と比べて、ぼくは旅を楽しんでいないということに気付いてしまった。
何処に行っても、もうあんまりワクワクしない。
ああ、そういう感じね、みたいにすぐ思ってしまう。
ぼくは旅しているとき、ノートにその時の気持ちや、やったことをたいてい書き残している。
そのノートを見返しても、最近は自分の行動記録ログ以外見当たらない。
昔は、楽しかった、〇〇に感動した、また来たい、とか色々書いていたのに。
旅をしていても、計画を立てていても、最初の頃みたいな目新しさがあんまりなくなっているのは事実で。
どこを探してもほんとはまったく同じ景色はないのに、似たような景色はたくさんあるから。
経験値が増えたことによる弊害というやつかもしれない。
RPGでレベル上げしすぎて強敵であったはずのラスボスをサクッと倒してしまった後のような消化不良感。
だからと言ってレベル上げ前のセーブデータでやり直すような気力もなく。
無理に例えるとしたらそんな感じ。
いまとっても追い込まれているとか、将来への不安とか、そういうの抜きにしてもやっぱり旅に出たいとはもう思っていない自分が確かにいる。
また行きたい場所も、行きたかったはずの場所もたくさんあるのに、面倒くさい。
泊まりの準備をするのも、宿の予約を取るのも、時刻表を見ながら計画を立てるのも、全部もうやりたくない。
そんな自分に気付いてしまって。
横須賀と北九州を結ぶフェリーが新設されるっていうニュースを見た。
嬉しくなった後に、北九州か福岡まで飛んだ方がはやいじゃんって思ってしまった。
フェリーがあれだけ好きだったのに、フェリーに乗ることよりも旅というもはや苦痛になり始めている時間を短くすることを考え始めている。
もう旅行したくないの?って聞かれたらそんなわけあるかって答えるんだけど、どれだけ時間とお金があっても旅に出たくないのも事実。
「旅が好きな自分」を満足させるためだけに旅に出ることにもう飽きたのかもしれない。
純粋に旅を楽しんでいた自分の存在すらもはや信じられなくて、
自分の旅に何の意味があったのかもわからなくて。
もしかしたらこのまま旅に出ることなく趣味としての旅行は終わるのかな、とか思ったり。